さて今日は、週末アンコール版として、2008年4月24日の
メルマガをご紹介したいと思います。

では、早速参りましょう!
 
 
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  ● 講習ビデオはかったるいなと思ったけれど……
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先日、免許の更新に行ってきました。

免許の更新の時に、必ず受けなければいけないのが、
講習というやつですね。

たいていの場合、ビデオなんかを見せられるわけですが、
このビデオが、またあんまり面白くなかったりするんですね。

私も以前は、この手のビデオを作っていたこともありますが、
お役所関係の仕事って、だいたい固い内容のものを作らされる
モンで、面白いものを提案してもボツ食らったりするんですね。


そんなわけで、今回もあまり期待せず、こっそり本でも読んで
いようかな、と思っていたんですが、始まってみると結構面白い。

今回、道路交通法の大きな改正がありましたが、その手の
耳新しい話とか、健康の話とか、予想していなかった情報も
たくさんあって、これもまた面白かったですね。


例えば、後部座席の人もシートベルトが必要であり、していないと
どうなってしまうのか、という実験映像とか。

無呼吸症候群の人は昼間眠くなり、運転に支障を来す恐れがあるから
病院に行って治療を受けた方が良いとか。

他にも、夜道で歩行者が見えにくいとか、こんなところに死角があるよ
という、ある意味定番の実験映像も見せてくれたり。

20分ほどではありましたが、結構面白く見ることが出来ました。


ところで、これは私の記憶というか、感覚に基づいてのお話ですが、
昔の講習ビデオと、最近の講習ビデオって、1点大きく変わって
来ているところがあるように思うんですね。


それは、悲惨な事故現場の映像がほとんど無かった、ということ。

確か、昔は、オープニングなんかに事故でグシャグシャになった
自動車とか、ちょっと目を背けたくなるような事故現場の映像が
入っていたりしてた様な気がするんですよね。

だけど、今回はそういった映像はほとんどありませんでした。

そのかわり、違うところが強調されていたんですね。

それはいったい、何だと思いますか?
 
 
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  ● インパクトだけでは伝わらない
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人の気持ちに影響を与えようとするときに、よく使いたくなる手として


 ■ 相手にインパクトを与える方法


というものがあります。

例えば、交通安全の意識を持ってもらうために、悲惨な交通事故の映像を
これでもかと見せるというのが、その方法のひとつです。

確かに、これは衝撃映像ですから、インパクトがあります。
あんな事故は起こしたくないな、と、たいていの人は思うでしょうね。

しかし、以前の講習を思い起こしてみると、居眠りしていたり、
内職していたりと、あまりきちんと見ている人がいなかったような
記憶があります。


たぶん私も、そのうちのひとりで、正直その時の講習ビデオの印象って、
あんまり残ってないんですよね。


その大きな理由として、私が思うには


 ■ インパクトだけでは大切なことは伝わらない


ということが、大きいのではないのかな、と。


インパクトだけでは、なぜ大切なことが伝わらないのか。

それは、インパクトのある情報の多くが


 ■ 他人事のようにしか受け止められない


から、ということがあります。

情報発信者としては、交通事故の悲惨さを通じて、安全運転の大切さを
伝えたい、と思っているのでしょう。おそらくは。

でも、悲惨な事故現場をぽんと見せると、受け手はどう思うかというと、


 ■ うわあ、ひどいもんだな、こりゃ。


と思うくらいが関の山なんですよね。

おそらく、情報発信者が期待するような、安全運転の大切さという
ところまで、気持ちはたどり着かないと思うんですよ。

さらに言えば、それを見た人間は、そのインパクトのある映像の
裏側に潜む、インパクトのある映像を見せようとすることによっての


 ■ 情報発信者のエゴイズムな考えの押しつけ


をも感じ取ってしまい、素直に考えられなくなってしまうことも
十分あります。

実際に、私も、オープニングの事故の映像を見て、


 「あー、ハイハイ、交通事故は悲惨ですね、と言いたいんでしょ
  了解了解。解りましたっと」


と思って、ある意味気持ちにフタがされてしまったような
記憶があります。だからほとんど憶えていないのでしょう。



では、いったいどうすればいいか。

それは、見せるべきものを、インパクトのあるものではなく


 ★ 共感できるストーリー


にする、ということなんですね。


先日見た講習ビデオでは、悲惨な事故現場はありませんでしたが、
事故を起こした当事者の方たちのモノローグとともに、ミニドラマが
作られていました。

「自分はその日、軽くお酒を飲んだだけで、そのうえ小一時間ほど酔いを
覚まして、大丈夫だと確信を持って運転しました」

そんなモノローグから、ドラマが始まり……


その後、停車している車を追い越そうとして人を引いてしまったこと。

その時、アルコールが入っていたせいか、冷静な判断が出来なくなり、
怖くなってつい逃げてしまったこと。

そして捕まり、交通刑務所に入れられてしまったこと。

奥さんは、被害者の看病や賠償金の交渉などに追われ、ひどく
やつれてしまったこと。

そんな状態の奥さんに対して、自分は刑務所に服役中なので
なにもしてやれなかったこと。

ついには、奥さんは心身ともに追い込まれてしまい、遺書を残して自殺
してしまったこと。



……そんな話が、再現VTRと共に、流れてくるわけですね。


もう、私も胸が詰まる思いで、泣きそうになりながらこの映像を
見ていました。

また、周りの人たちも、最初は手渡された冊子などをパラパラ
めくっていましたが、このミニドラマが始まると、ほとんどの人が
目線をテレビに向けて、しっかり見ていたようでした。


そして、、ドラマが終わったとき、私は胸の中で、かみさんには
あんな思いはさせたくないから、飲酒運転も含め、事故は絶対に
起こさないようにしよう、と心に誓ったわけです。

周りの人たちの何人かも、ため息をついたり、頷いたりと、
何か思うところがあったかのようなリアクションを取って
いたようでした。


つまり、以前に見た、インパクトのある事故現場の映像よりも、
何千倍もの影響力がこの共感のストーリーにはあったわけですね。

もしあなたが何かのメッセージを伝えようとしたときには、この
話を是非思い出して下さいね。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ

 インパクトに頼らず、共感のストーリーで自身のメッセージを伝えよう!

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こうして考えると、インパクトというのは、メッセージを伝えるために
重要な役割ではなく、あくまでも思いを伝えるにあたって、ほんの
わずかな効果しかないということがよくわかります。

せいぜい、注意を促すだけのきっかけ作り程度にしかならないんですよね。


時々、子供に対して、厳しく接する、ということを教育方針だと
言っている人を見かけます。

しかし、その人の話をよくよく聞くと、ただ単に、悪いことをしたときに、
怒鳴ったり叩いたりする程度のことしかやっていない、ということが
よくあります。

怒鳴る、叩く、というのは、ここで言うならただのインパクト。

ここから、いかに子供にメッセージを伝えていくか、と言うことが
重要なのにもかかわらず、インパクトだけでなにも伝えない。


こういった教育をしていると、子供はまっすぐ育ちませんよね。

だから、きちんとそのあとで、子供が共感できるストーリーを
語ってあげましょうよ。


これはもちろん、子供だけでなく、学生や部下という人たちにも
同じことが言えると思うんですよね。


私自身は、厳しい指導や体罰については否定派ではありません。
そういった指導が必要に迫られるときもあるかと思います。

ただし、間違いなく言えることは、


 ★教育を、インパクトだけでやってはいけない


ということ。


逆に言えば、彼らに対して、しっかりと共感のストーリーを語る
ことができたら、インパクトなどほとんどいらなかったりするんですね。


私自身、昔はインパクト重視派だったんですが、学生たちを指導する際に
共感ストーリーを重視していったところ、思った以上に指導を受け入れ、
インパクトのあるアプローチを取らなくても、予想以上に変化していって
くれたような実感があります。



もしあなたが、子供や部下に対して


 「厳しく接することが教育方針だ」


と考えているのならば、ご自分がやられていることが、単なる
インパクトだけで、共感ストーリーが不在になっていないか、
是非振り返ってみてください。


あなたに求められていることは、子供や部下に厳しく接する、
ということではなく、子供や部下をきちんと育て上げていく
ということにある。

これを忘れないでくださいね。



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人間の世界だけでなく、動物の世界も、落ち込むヤツはいるもんで。

「そんなにしょげかえってないでさ、ほら、一杯いきなよ」

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