おはようございます。
水野です。

さて今日は、週末恒例のアンコール版として、2008年5月30日の
メールマガジンをご紹介したいと思います。

では、早速参りましょう!
 
 
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  ● 金属のお湯
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先日のメルマガで、世界一社歴の長い会社は日本にある、とお話
したところ、なにやらとても評判がよかったようで、いつもよりも
多く感想のメールを頂きました。

 先日のメルマガは、こちら
 → http://archive.mag2.com/0000115361/20080528011545000.html


ちなみに、世界一社歴の長い会社というのは、金剛組といって、
創業578年。今年で1430年目となります。
いやはや、気が遠くなりますな。

この会社は、四天王寺と法隆寺を手がけ、他にも、
著名な社寺を沢山手がけています。

サイトもあって、設立から現在に至るまでの軌跡や
現在の施工実績なんかもありますから、興味ある方は
是非見てみて下さい。

 → http://www.kongogumi.co.jp/index.html


さて、今回はこの会社よりはグッと若い会社のお話。
とは言っても、創業1700年ですから、もう300年の
社歴があるのですが。

この会社、福田金属泊粉工業という会社で、元々は、
金箔や金粉なんかを扱っている会社だそうです。

そんな会社がなんで300年も生き残っているのか。

今、金箔とか要るのかな。伝統工芸品なんて、そんなに無いでしょ。

そう思うかもしれませんが、実はこの会社が無かったら、
じつは携帯電話は作れないんだそうで。

折りたたみ式携帯電話は、曲げに強い基盤を作るために必要な
銅箔が無いと作れないんですが、その部分の世界シェアの9割を、
なんとこの福田金属さんと,日本国内にあるもう1社で
カバーしているそうです。

こういった、緻密な精度やクオリティが求められる電子機器の
基盤などには、日本の古来からある技術力が求められている
そうです。

凄いですね。先端技術で世界を牛耳っている会社が、元禄13年
の創業だなんて。


そんな福田金属さんがお話ししたエピソードに、非常に
興味深いものがありました。

社歴300年と言っても、やはり近代的な仕組み作りはしなければ
いけないということで、マニュアル作りなんかもしているそうですが、
どうしてもマニュアル化できないところがあるそうです。

そのひとつが、金属のお湯の見立て方。

箔や粉などを作るに当たり、金属を溶かしていくのだそうですが、
それを金属のお湯、というそうです。

で、そのお湯の具合によって、品質に影響が出るそうです。

熔解温度を決めておけば、誰でも品質を管理できるか、というと
そんなことはないそうで。

温度計で千度にすることは出来るのですが、同じ素材で同じ温度に
熱しても、やはり最後は微妙な違いが出るようです。

ここをきちんと見抜くことは、なかなかマニュアルには出来ない
そうなんですね。

しかし、不思議ですよね。

しかし、機械ならコンマ1度といった微細な違いを識別でき、
人間はそれほどの違いを見分ける力がないにもかかわらず、
なぜ機械は人間の職人にかなわないのでしょうか?
 
 
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  ● 機械と職人の違いとは
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話は変わりますが、仕事が出来る人とそうでない人とでは、
いったい何が違うのか。

いくつかの理由がありますが、ひとつの大きな要素として、


 ■ 全体を見渡す事が出来ているかどうか。


というものがあります。

仕事が出来ない人は、ものを見る目が狭くて短く、一点だけに
集中してものを考えてしまうことが多いですよね。

しかし、有能な人は、一つ一つに集中していても、常に
意識は全体を俯瞰しておくことを忘れません。


本当に腕のいい職人も、こういった、【全体視点】というものを
持っているように私は思うんですよね。

今個々で起きていることが、この後の製造工程の中で、
このように影響を及ぼしてくる,という視点。

何を見るにしても、常にこの視点を持ちながら、今を
判断するのが,優秀な職人なんでしょうね。


機械は確かに,人間の感覚を遙かに超えた精度で、
測定してくれます。

しかし、機械が出来ることは


 ■ 今現在の状態を緻密に測定する


ということだけであり、


 ★ その測定結果がこの後どう影響を及ぼすか


ということについては、あずかり知らないわけですね。

職人は、今の温度がコンマ以下の識別は出来なかったとしても、
今この状態の仕上がりが、この後工程で積もり積もってどういった
影響を及ぼしていくかが、体で判っているわけです。


細かいことにうるさい職人はたくさんいますが、あの細かさは、
すべて、最後に創り上げなければいけないクオリティが明確にあり、
そこに向かって行くために必要な、一つ一つの行程に求められる
状態が子細に判っているからこそのものなんですね。


そして、そういった判断力は、マニュアルという文字情報だけでなく、
やはり、五感を通して何年も経験してきた経緯の中で、身につけ
られるものなのだそうです。


さほどクオリティを求められないような仕事をしている
場合は、ここまでのことは必要ないのかもしれません。

プロセスの要所要所を機械的にチェックしておけば、
それなりのものが出来上がるのでしょう。


しかし、本当に良いものを創り上げていこうとするなら、
マニュアルに依存して仕事を伝授することは、無理な話
のようです。


全体の工程を高い視点で俯瞰させ、最高のものが生まれる
全工程の、その一つ一つを、これまた五感で実感させる。


これこそが、優秀な職人を作る重要なポイントであり、
実は、これからの時代はそういう人こそが求められて
くるのではないかと、私は思うのです。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ

   マニュアルだけに頼らず、仕事の全体像を五感で学び取ろう!

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私も昔は、悪しきマニュアル人間でした。

仕事の全体像を掴もうともせず、狭い範囲しか見ようとせず、
ここはこうマニュアルに書いているから、これくらいでいいだろう、
といった感じで仕事をしていました。

また、自分がマニュアルを作るときには、ここはこの基準値
ここはこの基準値、といった感じで、全体像を伝えるより、
部分部分の手順と合格ラインを書くだけにとどまっていました。


しかし、そういった意識で働き、その意識でマニュアルなんか作っても、
たいした仕事が出来るような人間にはならないんですよね。


確かに、複数の人間が,短期間で一定のクオリティの仕事を
する場合、マニュアルは必要になってきますが、そのマニュアルが
程度の低いものであったり、指導する側がマニュアルに頼りすぎたり
すると、


 ■ 仕事レベルの低い人間を大量生産してしまう


事にもなりかねません。

あくまでも個人的な印象ですが、大きな組織ほど、効率化という
名の下に、マニュアルを変な形で導入し、そして、従業員の
成長機会を奪って無力化してしまっている傾向が強いように
感じるんですよね。


もしあなたが、このように、会社から成長機会を奪われている
ような、そういった仕事をしているように思うのなら、
そして、その状態を何とかしたいと思うのならば、ぜひ俯瞰の
視点と、全体像を五感で学ぶという意識を持って働いて下さい。

といっても、難しいでしょうから,今回はひとつだけヒントを。



俯瞰の視点を持つための具体的な考え方として、


 ★ 自分の仕事の前工程と後工程に何があるのか


ということを是非考えてみて下さい。自分の仕事がどこから来て、
そしてどこに行くのか、自分の前と後ろを見ながら仕事をする癖を
つけると、自分の仕事に、まだ工夫の余地があると言うことに
気づくこともあるかもしれません。


次の人に自分の仕事を渡す時、より相手が受け取りやすいように
するには、自分の行程でどんなことをしてあげたらいいのか。

そんなことを考えながら仕事をすると、きっと俯瞰視点がどんどん
身についてくると思いますよ。



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  ● 編集後記
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どうも、ここ数日、鼻水が良く出るし、目もしょぼしょぼ
してきました。

最初は、寝不足と風邪かなあ、と思っていたんですが、
かみさんから

「ひょっとしたら花粉症じゃないの?」

と言われまして。

今まで、花粉症じゃなかったものですから、春先も
全然怖くなかったんですが、ついに発症したか、と。

まだ、正確なところは分かりませんが、とりあえず
鼻うがいの薬と、目の洗浄液を買って、ズルズルパチパチ
やっております。

この先まだ続くようでしたら、病院に行ってこようかな……


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