おはようございます。
水野です。

さて今日は、週末恒例のアンコール版として、2008年7月9日の
メールマガジンをご紹介しましょう。

では、早速参りましょう!
 
 
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  ● 私が歯医者に行かないわけ
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実は私、ここ十数年、歯医者に一度も行ったことがないんです。

歯が丈夫だ、という理由もあるんですが、それ以上に
歯医者から足が遠のく理由があるんですよね。

実は、私は歯医者にトラウマがあるんです。

忘れもしません。26歳の時、大阪出張中に歯が痛くなり、
出張先の歯医者に行ったんです。

その時は、歯医者は痛いところ、という程度の認識で、
さして怖い場所でも嫌な場所でもなかったんです。

だから、後々ひどく痛んでつらい思いをするより、
すぱっと治しちゃおう、といった、気楽な感じで
歯医者に行ったわけですよ。

そこでは、男の先生と、若い女性の助手が私の担当に
なってくれました。

先生の方はともかく、助手の女の子は、結構かわいくて、
私好みの感じで。

その子のナースっぽい格好に、病院特有の薬くさい匂いがマッチして。

そんなかわいい娘に、変な顔見られるのが恥ずかしいやら、
口周りをあれこれいじられるのが照れくさいやら。
まあ、ぶっちゃけニヤけていたわけですよ。



そんな中で治療が進んでいったときのこと。


治療もいよいよ虫歯を削り取る段階に入り、先生とその娘の
間で、頻繁にドリルのやりとりがあったんですね。


その時、私は嫌な感じがしたんですよ。

なぜなら、そのドリルのやりとりが、私の顔の上を
通って行われていたからなんです。

その時私は目を開けていたんですが、その顔の上を
ドリルが行き交うのを見て、


「これは目を閉じていられないな」


と思いました。


ひょっとすると、何かいけない事が起きる。


そんな虫の知らせが、頭をよぎったんです。


思わず、イスの手すりを握る手が汗ばんできました。

そうでなくても、削られた痛みで手が汗ばみ、手すりがちょっと
ぬるぬるしていたのに、さらに緊張を強いられるような
状況になってしまったんですね。


ここで、普通の病院だったら、その不安を先生に
打ち明けることも出来たはず。

しかし、ここは、不幸にも歯医者。
治療中は、言葉によるコミュニケーションが不可能な
状態だったんですね。

実際、私はその時、先生の指と、歯を削るときにドリルから
出てくる苦い液体と、その液体を吸い出す管が、口の中に
ねじ込まれていて、意味ある言葉を発することは出来ませんでした。


完全にコミュニケーションが遮断された状態で、
歯を削られる痛みと共に、ドリルが頭の上を行き交う恐怖にも
耐えなければいけない状態。

さっきまで心地よかった病院特有の薬くさい匂いが、
この先怪我をして病院に担ぎ込まれたことを想像すると
据えた、嫌な臭いに変わっていきました。



そして、治療が終盤にかかった頃、ついに恐れていたことが
起きてしまったのです。

例の助手が、先生にドリルを手渡そうとした瞬間、手が滑って、
そのドリルが私の顔の上に落ちてきました。


目を開けていた私は、ドリルのとがった先端が額に落ちてくる
ところを間近に見てしまいました。

思わず頭を横によけようとしました。しかし、頭が動きません。

歯医者の椅子に座ったことがある方ならお解りでしょうが、
横になったときに頭を乗せるところは、治療中に頭が動かないよう、
後頭部を挟み込むような感じになっていますよね。

さらに、先生の手が私の口の中にあり、私の頭は自然とその椅子に
押しつけられているような状態になっていたんです。

だから、頭を横にスライドしようと思っても動かないんですよ。


不思議ですね、ああいうときって。

一瞬にして、すべての時間がスローモーションになる。


ドリルは、ゆっくりと額の上に落ちてくる。

刃先が迫ってくるのも見える。

ドリル越しに、助手の女の慌てたような顔が、ぼんやり見える。

頭を必死に動かそうとする私。でも動かない。

先生の手にもぐっと力が入る。

なおさら頭が動かない。

動かないまま頭を左右に揺する。

揺すりながら、声にならない悲鳴を上げる。

口の中の苦い液体が、うがいのようにあぶく立ったのち、
気管に逆流してきて、鈍痛となってのどを襲う。

その、呼吸も出来ない苦しみの中で、さらにドリルの刃先は
私の額めがけて迫ってくるのでした……
 
 
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  ● 怖い話を怖く話すコツ
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今日は前振り話が非常に長くなってしまいましたが、
読んでいていかがでしょうか?

背筋がゾッとして、嫌な気持ちになった方もいらっしゃるかも
しれません。


季節は夏。夏と言えば怖い話。

まあ、今回の話が、夏場に話す怖い話に当たるかどうかは、
脇に置き(苦笑)以下に自分が経験した怖い話を怖く語るか、
ということを、考えてみましょう。


よく、怖い話慣れをしていない人が怖い話をするとどうなるか。


「もうさあ、あたしさあ、道で変な人に会っちゃってさあ、
 もうマジで怖くて、チョーびびっちゃって、かなりヤバイと思って
 チョー走ってにげて、もうチョー疲れたって感じぃ」


ってなかんじでお話ししている人、結構いますよね。

この話、怖いですか? あんまり怖くないですよね。


この、一昔前のギャルがしゃべっているような話が
なぜ怖くないのか。理由は明白。なぜなら、


 ■ 自分の感情しかしゃべっていない


から。


ここで語られている情報は、「道で変な人にあった」という
一点だけ。後は、当事者である彼女の感情が、秩序無く
語られているだけなんですよね。

こんな話し方をされると、聞いている人は、


 ■ 何が怖いんだかさっぱり判らない


から、ちっとも怖くないんですね。

ではどうしたらいいか。

このギャルの話し方の、全く逆をやれば良いんです。

つまり、


 ★ 自分の感情はほとんどしゃべらず、状況をリアルに語る


ということ。そして、その時に重要なことは、


 ★ 五感を刺激するように語る


んですね。

前段の私の話では、私の感情を表現する言葉はちょっとだけしか
ありません。(嫌な予感とか、助手がかわいくてにやけたとか程度)

後はもう、徹底的にその時の状況を、時系列に、五感に感じるように
語っているだけです。


視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚、五感のすべてを盛り込んで、
自分に起きた出来事を、かなりねちっこく語っています。

こうすることにより、


 ★ 聞き手に自分の体験を追体験させる


ことが出来、その時の自分と同じ気持ちを味あわせる
ことが出来るんです。


季節柄、怖い話を沢山聞くがあると思います。
良くできた怖い話は、たいていここでお話ししたことが
効果的に盛り込まれています。

ぜひ、あなたも、相手を震え上がらせるような怖い話を
語ってみて下さいね。
 
 
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           今日のトーク術・まとめ

      怖い話をするときは、自分の感情かたるべからず!
        事実を五感で感じられるように語ろう!

‥‥……………━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

ちなみに、怖い話以外でも、この考え方は有効です。

例えば営業。

たまに「営業は熱い想いが大事だ」と語る人がいます。

これは、間違いではないでしょう。

しかし、売れない営業マンは、この言葉を勘違いして


 ■ 自分の熱い想いを相手に伝えようとする


といったことをやってしまいます。

でも、お客さんにとっては、その営業マンの熱意は
自分にとって必要なものでもなんでもないんですよね。


売れる営業マンは、相手が求めるメリットを自分が提供できる
ということをきちんと相手に理解してもらえるよう、その事実情報を
熱い想いを持ってしっかり集め、そして、相手がそのメリットを実感
できるよう、集めた事実情報を駆使して、五感に訴えられるような
話を、熱い想いを持って組み立てる。


実際に、話すときには穏やかで淡々としていても、事前にこれだけの
ことをしておけば、商談もスムーズに進むのではないでしょうか。


人を巻き込むためには、自分の想いはとても重要です。
しかし、その想いは、いきなり相手にぶつけるものでは
ありません。

まずは、自分自身の体験を、五感を通して感じてもらい、
共感を生み出すこと、これが真っ先にやるべきことです。


自分の想いや感情を相手にぶつけるのは、相手があなたの
感情をきちんと受け止められるようになってからの話。

くれぐれも順番を間違えないで下さいね。



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  ● 編集後記
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昨日は暑かったですね!

もはや夏と言っても過言ではないでしょう。

私は半袖でクーラー入れっぱなしで過ごしてしまいました。

体に良くはないとは思いつつ、やっぱり暑いのは苦手なんで……



さて、昨日の我が家のネコブログ。
確かに、あつみ♂を抱く腕が、最近だるくなってきてる……
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