本日のテーマ:【人生に活かす物語の読み解き方】

おはようございます! 水野です。

本日より、

【水野浩志の「こんな考え方もあるんじゃね?」】

を新しく発行することとなりました!

心機一転、頑張って書いて行きますので、
よろしくお願いします!

さて、本日は

【人生に活かす物語の読み解き方】

というテーマでお送りしましょう。

これは、ドラマや映画、小説やマンガなどの物語を
取り上げ、それをどう読み解けば自分の人生に活かせるか、
ということを私なりの考えで書いて行くものです。

もちろん、物語の読み解き方は人それぞれであり、
私の読み解き方が正しいというつもりは毛頭ありません。

でも、物語というのは、正しく読み取ることが
大事なのではなく、与えられた物語から、いかに
自分にとっての人生の糧を見つけ出すかだと、
私は考えていますので、そのスタンスで、自分勝手な
解釈を、遠慮無く書いて行きますね。



ということで、新装メルマガ第1回目の今回は、先日大きな
話題となった、テレビドラマ「半沢直樹」について書きたいと
思います。

ちなみに、今回は、すでにこのドラマをご覧になっている、
ということ前提で書かせて頂きます。

また、完全ネタバレとなっておりますので、
このドラマをまだご覧になっていない方で、
結末を知りたくない、という方は、このメルマガは
読まないでおいて下さいね……

いいですか? では行きますよ。

民放のテレビドラマでは、「家政婦のミタ」を抜いて
視聴率1位に輝いた、このドラマ。

放送開始直後から、話題を呼んでいたようですが、
最終回では、まさかの展開となり、ネットニュースは
もちろん、ブログなどでも、たくさんの人たちが、
このドラマの終わり方について語っていました。


ここで取り上げられていたポイントは、私が見る限り、
大きくふたつありました。

ひとつは、なぜ半沢直樹は大和田常務を土下座をさせたのか。

もうひとつは、なぜ半沢直樹が、昇進ではなく、出向と
なってしまったのか。


これらについて、水野が同この物語を読み解いたのかを
書いて行きますね。

まず今日は、土下座について。

最終回、半沢は、親の敵でもあり、会社に背任行為を
行った大和田常務に対して、取締役会において、その
背任の事実を突きつけた上で、目の前で土下座をさせました。

物語的には、ここは一番のクライマックスであり、
かつまた一番の見せ場でもありました。

ですから、基本的には一番スカッとするシーンのはず。

しかし、このシーンに対して、

「あまりに行きすぎた行為である」

という批判的な意見が、結構あったようなんですよね。


私自身も、土下座シーンの前までは、非常に気持ちよく、

「半沢! やったね!!」

と思いながら見ていたんですが、土下座のシーンになってからは
爽快感はかき消えてしまい、心にしこりが残るような、なんとも
言えない、イヤな気持ちも芽生えてきました。

ですから、ちまたでいわれている「半沢やり過ぎ」と言いたい
気持ちは、私もよく解るんですよね。


しかし、半沢は、明らかに誰が見てもやり過ぎであるという
行為を、なぜ取ってしまったのでしょうか?

表面的な読み取り方をするならば、父親を自殺に追い込んだ
張本人である大和田に対して、復讐をするため、という
事になります。

ドラマの中では、若い頃の大和田が、泣きながらすがる
父親を振り払うシーンがたびたび回想シーンとして
出てきます。

これに引きずられて、半沢が私怨を抱え、常に復讐を
考えている思われるかもしれません。

しかし、実はこれだけで、半沢のあの行為を語ることは
出来ないんですよね。

理由はいくつかありますが、一番の理由は、

 ■ もし大和田に復讐をしたいだけならば、
   これほどまでに回りくどい方法はとらない

ということです。

考えても見て下さい。もし大和田に復讐したいのであれば、
住んでいる場所を調べ上げ、殺すなり悪質な嫌がらせを
するなりすれば良いだけのこと。

わざわざ親の敵がいる銀行に入社して、復讐の機会を
うかがいつつ、あんなに苦労して苦境を乗り越えた
上で、なんとか運良く相手のミスが発覚し、そこに
つけ込んで攻撃をする、等というような、回りくどい
上に復讐できるかどうかの確証も無いことを、半沢
のような頭の良い人間がやるはずがありません。


また、他の意見として、行きすぎた正義感から、
ああいった行為を取ってしまった、という見方も
考えられます。

確かにこれも多いにあるでしょう。

彼があの銀行に入社する事を決断したのは、
父の葬儀で大和田と当時の上司が会話を耳に
したときのようです。

その際、父を自殺にまで追い込んだやり口を、
上司がほめている話を聞き、大和田1人を
復讐しても、何の意味も無いことを知ります。

そして、正義感の強い彼は、父の敵である銀行
そのものを、本来あるべき姿に変えてやろうと
決心したわけですね。

でも、それだけでもまだ、彼の行動を語り尽くせないと
私は思うのです。

実は、半沢が行動を突き動かされる、一番重要な
情熱の源泉は、

 ★ 誰かを信じ、その人の役に立つ

という想いです。

それは、父との回想シーンにも見て取れます。

父がねじを子供の頃の半沢に見せ、自分の仕事を
誇らしげに語りながら、こうも語りました。

「ええか、直樹。
 どんな仕事をしてもええけど、人と人とのつながりだけは
 忘れたらアカン。
 ロボットみたいな仕事をしたらアカンで」

この教えが、今の彼を作っているために、彼は、
人とつながり、信じた人に対して、精一杯役立とうと
します。

そして逆に、本業を忘れ、人とのつながりを大切にせず、
自分の保身や上からの命令ばかりで行動を決める
ロボットのような人間を、徹底的に糾弾し、守る人を
守るためなら、どんなこともしてきたのです。


そんな彼が糾弾し、排除すべき人間たちの巣窟が、
この東京中央銀行の役員たちであり、彼らを一番
象徴していたのが、大和田なんですよね。

だから、中野渡り頭取が止めたにもかかわらず、
おそらくやり過ぎだと思われてしまう、ということを
知っていながらも、あそこで大和田を土下座させたのは、
単に大和田個人に対して私怨を晴らしたのでは無く、

 ★ 役員全員に今までの考え方を改めさせる

ために、必要な行為であったと言えるのです。



単にその行為の表面だけを見て、その行為の是非を
断定するのは、誰でも出来る簡単な話です。

しかし、その是非を論ずる前に、


 ★ その行為がどれだけの理由に基づいて行われたか


ということには、意識を向けても損はありません。

特に、物語の場合、それがよく出来たものであれば、
登場人物の行動には、全て必然性があり、その理由も
きちんと描かれています。

ですから、登場人物の行動に、何らかの違和感を感じたと
したなら、その理由はなんなのかを、きちんと探し、
その人の思いを汲み取ることに意識を向けてみましょう。

この考え方は、実際の人生においても、非常に役に立つ
ものだと思いますよ。



さて、今回は、土下座について考えてみましたが、こう考えると、
半沢がなぜ出向をさせられたのか、そして、見ている私たちの多くが、
この土下座と出向について、心に大きな引っかかりが出来たのかも、
おぼろげながら見えてきます。

それについては、次回のメルマガで紐解いていきましょう。
 
 

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  ※コメントも書けるようです。
   もし良かったら感想を聞かせて
   下さいね。
 
 
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  ● 編集後記
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中二病みたいな言葉で、使うの恥ずかしいな。

226 名前:おさかなくわえた名無しさん[sage]
 投稿日:2013/09/23(月) 16:29:04.77 ID:/Y/rkvlV

 立ちくらみの別の言い方が「眼前暗黒感」というのを今日知った。
 ぜひいつかつかいたい言葉リストに入れようと思った。