本日のテーマ:【人生に活かす物語の読み解き方】

おはようございます! 水野です。

さて、本日も、昨日に引き続き、

【人生に活かす物語の読み解き方】

というテーマで、TBSのドラマ「半沢直樹」の
最終回について考えていきましょう。

今回も、すでにこのドラマをご覧になっている、
ということ前提で書かせて頂きます。

また、例によって今回も完全ネタバレとなっておりますので、
このドラマをまだご覧になっていない方で、結末を知りたくない、
という方は、このメルマガは読まないでおいて下さいね……




いいですか? では行きますよ。

昨日は、半沢直樹が大和田常務を土下座させた理由を
考えてみました。

役員会議中に大和田を糾弾し、土下座させる、という
誰が見てもやりすぎだと思うような行為を、半沢は
なぜしたのか。

私の見解は、大和田に対しての私怨による復讐では無く、
東京中央銀行がもつ悪しき体質に対して鉄槌を喰らわし、
銀行を改革していくために、避けて通れない必要な行為
であった、というものでした。


さて今回は、なぜ半沢直樹は、あれだけの結果を出したにも
関わらず、昇進させてもらえず、出向扱いとなってしまった
のか、ということについて考えてみましょう。

200億円も貸し付けたにもかかわらず、経営難に陥っていた
伊勢志摩ホテルを見事立て直し、金融庁検査を見事乗り切った
上に、大和田常務の不正まで暴いたという、大活躍の半沢。

成果を見れば2階級特進の部長への昇進すらあり得る、
と思われていた半沢は、最後に中野渡常務から、
東京セントラル證券への出向を命じられてしまいます。

そして、大和田常務は、懲戒解雇でも無く、出向もされず
平の取締役への降格だけの処分で済んでしまいました。


この結末は、視聴者に大きな違和感を与えたようです。

多くの方たちは、最後に大和田に土下座をさせたことが
やり過ぎであったために、飛ばされてしまった、やはり
組織というものは、出る杭は打たれる、という場所なのだ
という理由で納得していたようでした。

また、銀行人事の事情通の方などは、この出向は一時的な
もので、証券会社で新たな経験を積んだ上で、2,3年
経ってほとぼりが冷めた頃、本社に呼び戻すはず、という
銀行の人事的思考を解説していました。

これはこれでなるほどなあ、と思ったんですが、物語を
読み解く、という視点から見ると、出向が決まった、
また別の理由が現れてきます。

では、その理由とは何か。私の見解は、


 ★ 東京中央銀行における半沢の役割が終わった


というものです。

東京中央銀行が抱えていた悪しき考えを正した半沢は、
それで一旦役割を終えたわけです。

そうなると、そこに留まる理由が無くなる。

もし昇進したとしても、彼は自分の本来の役割を果たすことは
出来なくなるんですよね。

だから、出向となった。

おそらく、出向先の東京セントラル證券にも、またたくさんの
問題や闇が潜んでいることでしょう。

それらを正していくことが、半沢の役割であり、おそらく
中野渡頭取も、そのあたりを期待して、半沢に出向を命じた
のでしょう。

そう考えると、半沢の辞令は、昇進だとか降格だとかという
観点とは全く違うものとして見るべきものなのだろうと思う
んですよね。


で、実はここまで読み解いてきて、さらに気付いたんですが、

私は、このドラマ「半沢直樹」というのは、


 ■ サラリーマンに対しての、働き方のリトマス試験紙


なんですよね。



半沢は、終始一貫、会社では無く社会を見据え、自分の役割を
認識しながら行動していた。

翻って、半沢の敵となる人たちは皆、社会では無く、会社を
見据え、本来の役割を果たさず、自己保身に囚われながら
自分の役割を果たさずに行動していた。

しかし、最終的に半沢は、社会を見据えた姿勢を貫いて、
会社の方ばかり見ていた人間たちを蹴散らしました。


私たち視聴者は、エゴまみれで動く人たちを不快に思い、
それを成敗する半沢の姿に拍手喝采を送りました。

しかし、結局、最終回の人事では、彼が昇格するか否かに
意識が向き、昇格しないという展開になると、

「結局あれだけのことをやっても報われないんだよな」

と言った、悲観的な印象を持ってしまった人はどうやら
少なくないようでした。


でも、その考え方こそが、ドラマの中で不快感を感じていた
半沢の敵役の思考である、

 ■ 自分の本来の役割を見失ったまま生きている人

と、本質的には変わりが無いんですよね。

もし自分がそんな生き方をしているとしたら、果たして
自分自身で納得して生きていると言えるかどうか?



物語は、単に楽しむだけではもったいない。

例えフィクションであったとしても、自分の生き方を考え直す
ことにも使えます。

だから、もしこの「半沢直樹」を見て、面白いと思ったのなら、
改めてこのドラマを見直すと共に、もう一度、自分に与えられた
役割とは、いったい何なのかを、見つめ直してみましょう。
 
 

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   もし良かったら感想を聞かせて
   下さいね。
 
 
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  ● 編集後記
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「半沢直樹」のドラマを視聴中、半沢を陥れることに画策していた
浅野や小木曽を見ていたかみさんがぽつりといった一言。

「会社って、暇なとこなんだねぇ〜〜」

けだし、名言と言えよう。