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  ● あれっ? うーん…… ん? あらら……
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1月3日、17時24分。

私はかみさんに付き添われ、脂汗を流しながら病院に駆け込みました。


その日の14時過ぎ、昼寝からおきた私は、胃のあたりに
若干の張りを感じました。

昼飯、ちょっと食べ過ぎたかな。
私はさほど気にせず、そのままにしておきました。

ところが、時間がたつにつれ、胃の辺りがどんどん張ってきて、
そのうちに鈍い痛みも感じてきました。

そして、2時間も過ぎると、もううめき声が出てしまうぐらいの
痛みにまでなったのです。

しばらく寝ていれば治るかとも思ったのですが、
どうやら、そんな生易しい痛みではありません。

どうにも耐えられなくなり、かみさんに手伝ってもらって、
近所の病院に、這うようにたどり着きました。


正月3が日にもかかわらず、病院には急患の人が結構いたようで、
私はうめきながらも順番を待ちました。

目の前がかすむほどの痛みに悶絶しながら待つ10分が、
もう何時間にも感じました。

そして、やっと先生のご到着。
私から症状を聞くと、血液検査とエコー検査をする
ということとなりました。

私は、血を抜かれたあと、診察台に横になりました。
先生はお腹にジェルを塗り、器械を押し当てました。

私は、どんな診察結果が出るかドキドキしながら待ちました。

すると、先生は

「……あれっ? ……うーん…… ん? あらら…… でも、うーん……」

と、気になる言葉を連発するのです。

私はもう、気が気ではありません。
でも、診察中に脇でガチャガチャ言うのも気がはばかられましたので、
黙って先生を不安そうな目で見つめていました。

ひととおり診察が終わったのか、おなかのジェルをふき取った先生は


「うーん、しばらくお待ちくださいね。うーん……」


といって、私の元を去っていきました。

なぜあの先生はあんな奥歯にものの挟まったような
言い方をするんだろうか。

あの診察で、何か変なものが見つかったのだろうか。
一体、私はどうなってしまうんだろうか。

激しい痛みに加え、自分がどうなってしまうのかという
不安も押し寄せ、私は気が気ではありませんでした。


なのに、先生は立ち去ったきり、
1時間以上戻ってこなかったのです。

たまらなくなった私は、看護師さんにお願いして、
先生を呼んで来てもらいました。

「先生、何かわかりましたでしょうか?」

真っ青な顔で私が聞くと、先生は

「うーん、レントゲンとCTスキャンを取ってみましょうか……」

と言うのです。

「先生、私の体に、何かとんでもないことが起きているんですか?!」

おろおろしながら私が聞くと、

「いや、今のところどこも悪いところが見つからないんですよ」

と一言。

「エコーでもおかしいところが見当たらないし、血液検査も正常です」
「詳しいことはレントゲンやCTスキャンを見てみないと解らないですが、
 それでなんともなければ、たぶん軽い胃炎か胃潰瘍だと思うんですよね」

命にかかわるようなものが見つかったのではないかと
生きた心地がしなかった私は、先生のこの言葉を聞いて
心の中で毒づきました。

「だったら『あれっ?』とか不安なこと言うなよ!!」
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  ● 責任を持つ人の言葉が与える影響とは
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さっきの話とは別の話なんですが、私の友人が
初めてスカイダイビングをしたときのこと。

インストラクターのお腹につなげられてダイブする
やり方ありますでしょ? 私なんて言うか知らないんですが。

友人も、その方法でダイビングしたそうなんです。

さて、飛行機から飛び降りてしばらく滑空を楽しんだ後、
メインのパラシュートを開こうとしたのですが、
このとき、これがうまく開かなかったのです。

この異変は友人もすぐに気づき、パニックになったそうですが、
インストラクターはすぐにメインのパラシュートを切り離し、
予備のパラシュートを開きました。

こちらのほうは無事に開き、事なきを得、
友人もほっとするはずでしたが……


インストラクターのほうは、ずーっとブツブツ

「あーやばい……まずいぞこれは……」

とつぶやき続けていたそうです。

無事パラシュートは開いているはずなのに、ずーっと「まずいまずい」と
つぶやき続けているインストラクターの声に、またしても不安になり、
無事に地上に着陸するまで、生きた心地がしなかったそうです。

友人は、無事に地上にたどり着いたあと、インストラクターに
なぜやばいやばいと言い続けていたのか聞いたところ、

「いやあ、パラシュートひとつ駄目にしちゃったじゃないですか。
 会社に戻ったらえらい怒られるかと思うとねぇ……」

という答えが返ってきたそうです。


友人は、そんな言葉で、死ぬほど恐ろしい思いをし続けたのかと思い、
えらく怒ったそうです。そら怒りますわな(^^;;


私を見てくれたお医者さんや、このインストラクターなど、
能力があり、責任ある立場にある人には、その能力や責任に
頼る気持ちでいる人たちが集まります。

そして、そういう人たちは、そうでなくても不安な気持ちを
もってその人の元を尋ねてくるわけですよね。

そんな能力や責任がある人たちは、その力を頼ってくる人たちに対して、



  ■ 自分の言葉がどれほどの影響力があるか



ということを、常に意識している必要があります。

そうでなくても、不安に思っている人間に対して、
その不安が増すようなコメントをするべきでないですよね。

私もセミナーの講師をやっており、そこには問題や悩みを抱えている
人が、その悩みを解決するために来ているわけですが、そんな人たちに
あいまいなコメントや中途半端な受け答えをしてしまうと、当然ながら
参加者は不安に思ってしまうことでしょう。

ですから、責任ある立場の人は、


  ★ 毅然とした態度で接する


ことを常に心がけ、聞き手に不安を抱かせることないように
心配りをすることを、常に忘れないようにしましょう。



ということで、その先生に散々不安にさせられた私は、その後
レントゲンとCTスキャンの撮影をすることとなり、
別の先生にお世話になることとなりました。

そして、徐々に大げさになる検査に不安が増している私に対して、
この先生は、なんともすばらしいトークで対応してくれたのです。

私の不安を取り除き、安心して自分の身を任せられるような
気持ちになった、その先生のトークの秘密とは……

続きは次回に!
 
 
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           今日のトーク術・まとめ

         責任ある人の言葉の影響力は大きい!
    聞き手を不安に陥れることなく、毅然とした態度で接しよう!

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まだまだ、質問をどしどし受け付けております! トークに限らず、
へんてこな質問、ふざけた質問も含めて、お待ちしています。

トークにかこつけて、なんでもお答えしていきます!

   mizuno_hiroshi@yahoo.co.jp

宛までお送りくださいませ。

皆さんからの投稿、どしどしお待ちしています!
 
 
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  ● 文章セミナー、販売終了日を16日まで延長します。
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1月15日に販売終了する予定でした、文章メールセミナーですが、
先日、読者の方から

「15日までに申し込めば、入金が少々遅れても大丈夫でしょうか?」

という質問を頂きました。

クレジットカード決済の場合は、すぐに支払い手続きが完了するのですが、
銀行振り込みを選んだ場合、入金の確認の後で配信手続きを取っています。

今回は、配信システムそのものを変更することになりますので、
15日に配信確定となる方までで終了、とするつもりでした。


しかし、カレンダーを見てみると、15日は日曜日なんですよね。
銀行振り込みの場合、日曜日では振り込み手続きが取れません。

これはうっかりしていました。

ということで、販売締切日を若干延長し、


 ★お申込み&お振込み締切日は1月16日
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ということといたしました。

銀行振り込みの場合、17日の朝9時の段階で
ご入金が確認できた方までといたします。

最終締め切りまで、残りあと6日。
ご興味のある方はこちらへ

 → http://sp.m-stn.com/chk/060111a.html
 
 
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  ● 編集後記
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ここ数日、ずっと家にこもって13日のセミナーの
資料を作っています。

去年やったセミナーと、レジュメを大補強して、
組み立てもやり方もガラッと変えるつもりです。


今までやってきたことをすべて詳細にたな卸しし、
それらをすべて再構築すると言うことをしている
ものだから、かなりの情報量となってしまいました。

まともにやったら丸3日はかかるボリューム。
これを、どうやって整理して7時間のセミナーにするのか。


部屋中散らかっている100畳のリビングをこれから掃除するような
心境で、今呆然としているところであります(^^;;

ま、とはいっても、いつもセミナー直前は、
こんな感じなんですけどね(^^;;